iPhone 11では、すべてのモデルで3D Touchが廃止され、触覚タッチだけになってしまったようだけど、iOS 13では、3D Touchが使用できる機種でも触覚タッチが使用できるようになった。そのため、設定画面でも、3D Touch対応機種は両方の感度の設定ができるようになった。
その代償として、Peek (強くタッチ) とPop (さらに強くタッチ) の区別が一部をのぞき廃止されてしまい、1回のタッチでPopまでできなくなったのは残念なところではあるが。(iOS 13では、Peekができたら一回指をはなし、あらためてプレビューエリアをタッチする必要がある。設定画面で練習可能。)
ほとんどの操作で3D Touchと触覚タッチのちがいがなくなったものの、3D Touchのみでできて、触覚タッチではできない操作というのはもちろんある。(3D Touchが完全に廃止されなかったのはそのため)
いちばんわかりやすいのは、キーボードである。
3D TouchではキーボードのどこでもいいのでPeekを使用することで、カーソルの移動ができた。触覚タッチでは、「空白」キーの長押しが必要 (ほかのキーでは不可) 。日本語をローマ字キーボードで入力している人にはさほど問題にはならないかもしれない。しかし、日本語のかなキーボードでは「空白」キーが右端にあるせいで右方向へのカーソル移動が非常にしづらくなっており、3D Touchと触覚タッチの使い勝手のちがいはほかの言語以上にあるだろう。
また、3D TouchではPopを使用することで、範囲選択が可能だが、触覚タッチでの範囲選択のためには1本の指で「空白」キーを押さえたまま、別の指でほかのキーをタッチする必要がある (これは触覚タッチが押す強さを認識できないためのしかたがない処置だろう) 。範囲選択解除については、3D Touchでしかできない (触覚タッチでは空白キーからいちど指をはなして最初からやりなおす必要がある) 。
ほかにも、他社製のキーボードで、濁点や半濁点を3D Touchで入力できるキーボードがある。
https://apps.apple.com/jp/app/id1021368752
フリック1回で濁点を入力できるキーボードはほかにもあるが、濁点のためにフリックの配置を覚えなおす必要があるなどの問題がある。3D Touchの濁点キーボードではフリックの配置を覚えなおさなくてもいいのだ。すばらしい発想なのだが、iPhone 11以降では3D Touchは使用できなくなったのだ。
つぎにことなるのは、通知センター。
通知センターの通知をプレビューするためには、3D Touchが必要で、触覚タッチではできない。しかし、iPhone X系統やiPadでは触覚タッチ (長押し) でも通知をプレビューできるので、iPhone (X系統をのぞく) の触覚タッチで通知をプレビューできないのは謎仕様である。
iPhone X系統ではできないのだが、画面左端をPeekして右にスライドすれば直前のAppにきりかえることができる。Popで一覧表示ができる。
メモでは、スケッチするときに3D Touchにより筆圧を変化させることができる。なお、他社製のペイントツールでも、同様の仕組みを採用しているメーカーもある。iPhone 11以降に買いかえる人でいちばん注意が必要なのは、この機能のために3D Touchを使用している人だろう。
GarageBand、つかっていない人もおおいのかもしれないけど、ここにも3D Touchならではの機能がある。
たとえばキーボードの押す強さによって、アフタータッチのエフェクトが変化するのだ。たとえばピアノの場合、キーボードを3D Touchすることで、左上の「Sustain」コントロールが動作する。3D Touchがない場合、左上のコントロールを指でタッチする必要があるため、指を1本使用することになってしまう。なお、ベロシティー感度には3D Touchは使用されていない (別の方法で認識している) ため、3D Touchがなくてもベロシティー感度の精度はかわらない。
自分のしっている3D Touch特有の機能としては、このあたりだろうか。
さて、せっかくなので、3D Touch・触覚タッチのどちらでも活用できる、つかうと便利な機能をいくつか紹介したい。
App Store のアップデート
App Storeを自動でアップデートしない設定にしている場合、もしくは、していても週一の自動確認よりもはやくアップデートしたい場合は、App Storeのアイコンを強く長押しして、「アップデート」を選択するだけ。このほうがはやい。
URLを確認してからひらく
まず、リンクを強く長押し。iOS 12以前とはことなり、成功したらそのまま指をはなしてもOK。
つぎに、右上の「プレビューを非表示」を選択。
すると、次回からはURLで表示される。なお、おなじタブでリンクをひらきたいときは、URLの部分をタップする。
地図から天気を確認
「天気」から天気を表示する場合、現在地の天気、もしくはキーワード検索で地点を選択するが、「マップ」を使用することで場所をしめす具体的なキーワードがおもいうかばなくても、任意の地点の天気をすぐにみることができる。また、地点登録なしでの天気表示も可能。天気を確認したい地点に移動して、右下の現在の天気を強く長押し。
さらに表示された天気をタップ。
確認が表示されるので、一時的に表示したいときは「表示」を、地点登録したいときは「追加」を選択する。
メッセージから即座にキーボード表示
もともと返信するつもりでメッセージを読む場合、メッセージの一覧で読みたいメッセージを強く長押しして、ポップアップが表示されたら押さえたまま上へスライド。
メッセージを読んだら下の「カスタム...」を選択すると、キーボードが表示される。なお、上3つの定型文は現時点では編集できないもよう。編集できるようになればいいね。
なお、よくやりとりする相手に新規メッセージを作成したい場合は、ホーム画面上の「メッセージ」を強く長押し、ポップアップが表示されたら、そのまま送りたい相手のところまで指をうごかす。送りたい相手の上で指をはなすことで、その相手の会話画面にいき、しかもキーボードまで表示される。
そういえば、「メッセージ」や「LINE」、あと「メール」では強く長押しでメッセージのプレビューが表示されるけど、「+メッセージ」や「Skype」では表示されない。慣れたら手離せない存在になるとおもうのだが。
音楽認識
※ 以下の操作には事前にShazamをインストールしている必要がある。(Siriの音楽認識にはShazamのシステムが利用されているのに最初からインストールされていないというのも不思議な話ではあるが)
apps.apple.comSiriに「この曲の名前は」と質問する方法もあるが、ホーム画面の「Shazam」を強く長押しするという方法もある。
さっきのメッセージからよくやりとりする相手への新規メッセージの方法とおなじで、「Shazam」を強く長押ししてから「今すぐShazamする」まで指をスライドさせればよい。
音源にできるだけちかづけるのが認識のコツ。
なお、アメリカなどでは音楽だけではなくCMにもタグがついている場合があるため (すべてではない) 、CMをShazamすることも可能。アメリカにいるときに気になったCMがながれたらぜひためしてみてほしい。
自分の電話番号を即時確認
※ 以下の操作には、事前に自分の名前と電話番号を (必要に応じてメールアドレス・住所・SNSプロフィールなども) ふくんだ連絡先を作成しておき、「設定」の「Siriと検索」→「自分の情報」で関連づけておく必要がある。
連絡先の登録件数が多い人ほどつかえるかも。
「連絡先」を強く長押しして、「自分の情報を表示」を選択するだけ。
自分の現在地を送信
「家族など普段から送信しておきたい」や「待ち合わせなど時間を指定して共有したい」という場合は、「探す」(iOS 12以前の「友達を探す」と「iPhoneを探す」がひとつになったもの) を使用したほうが便利だろう。
しかし、「いまどこ」への返信など、いちどだけ送信したい場合もある。その場合に即座に現在地を送信できる。
※ 画像ではなく位置情報そのものが送信されるため あまりしらない人とのやりとりの場合はプライバシーに注意が必要
「マップ」を強く長押しして、「自分の現在地を送信」を選択。
あとは送りたい人をえらんで送信。
時間をすぐにはかる
「時計」を強く長押しして、「ストップウォッチを開始」を選択。
わざわざ「開始」を押さなくてもすぐにうごきはじめる。
外観モードを変更する
「設定」→「画面表示と明るさ」から変更できるのだが、気分によって変更したいということもあるだろう。
コントロールセンターをひらき、明るさのスライダーを強く長押し。
左下に「ダークモード」というのがあるので、それを押して有効にする。
ただし、頻繁に変更するのであれば、「設定」→「コントロールセンター」で、コントロールセンターにさいしょから「ダークモード」のボタンを表示する設定にしたほうがよいだろう。
一時的におやすみモードにする
会議などの予定があるとき、一時的におやすみモードにしておきたいという場合もあるだろう。ふつうにおやすみモードにしてしまうと、解除するまで (もしくはもともとの睡眠の設定時間まで) ずっと有効になってしまう。
そんなときは、コントロールセンターの「おやすみモード」のボタンを強く長押しすると、「1時間」「今日の夜まで」(時間によって表示がことなる)「この場所から出発するまで」「次のイベントが終了するまで」(カレンダーに予定を登録している日) から自動解除までの時間を設定できる。設定したい時間のところで指をはなすことで、その時間まで設定される。
Apple Watchのコントロールセンターから有効にする場合は、別に強く長押しする必要はない。Apple Watchをもっているなら、そっちのほうが便利だろう。
なお、英語表示だと「おやすみモード」は「Do Not Disturb」と表示される。(おそらくホテルで同様の英語が「起こさないでください」に日本語訳されているのとおなじ理由だとおもわれる)
ブックマークからページをひらく
「Safari」を強く長押しして、「ブックマークを表示」。意外とホーム画面でできることはおおいんですね。